● ● ● わ に の に わ ● ● ●

音楽やペット、スウィーツ、仕事、介護などを通じて、日々の色々な出来事をつらつらと書いてます。

昨日、Cocodriloの練習の後、実家に帰りすてっきのごはんをこさえていました。
限られた時間で作らないといけないので、コンロ、電子レンジ、ミキサーがフル回転です。

私が台所に立って料理をしていると、ゴトンと物音がしました。
すてっきの部屋のほうからで、気がついたら玄関までつたって来ていました。

おでかけの用意は万端で、今から散歩に行きたいと言いました。

しかし私は「お父さんのごはんの支度をしているからもう少しだけ待っててね」とお願いしますが、すてっきは「うん」とうなずいて、しかし身体は外に出ようとしています。

このやりとりが何度も繰り返されて私もさすがに根負けし、料理の手を止めてすてっきの希望通り、お散歩に出掛けました。

すてっきの車椅子を押していると、歩道の端っこに蝉を発見。
地中から出てきて、間違って歩道にでてきてしまった蝉でした。

もしかして息絶えているのではないかと、ちょんと触るとトコトコ歩き出しました。

この子は大きな木に連れて行ってあげないと。

散歩の前に、大きな木がある所に行ってこの子を放してあげたいと、すてっきに小さなお知らせをしました。

ほっとして蝉を捕獲、私の手の中にいたのですが、ご存知のように蝉の歩行速度はわりと早くて、車椅子を押しながら蝉を落とさないように進むというのがなかなか難しい。

すてっきに、この子を落とさないように暫く預かって欲しいとお願いをすると、大きくうなずいたので、すてっきの手のひらにそおっとのせました。

20090710蝉1

蝉の足取りは思いのほか早いので、すてっきはその子を落とさないように、手を動かします。

すてっきは私に質問をしました。

「これは何なの?」

「これは蝉。」

「蝉やのに羽が生えてないの?」

「これは脱皮して羽根が出てくる前の子やねん。」


ふぅんという顔をしていました。


20090710蝉

そのさまがなんとも可愛らしく、私は暫く眺めていました。

20090710蝉2

そして木につたわせて放しました。

ちょっとづつ、ちょっとづつ、木の上のほうにしっかりと登って行く蝉。


20090710蝉3そういえば、私は小学生の時に、すてっきに「せみの一生」という本を買って貰ったことがありました。

その本を見て、当時子供だった私は、長い間地中で幼少期を過ごすことに比べ、地上で大人として過ごす期間の短いこと、命の儚さに対して、考え込んだ覚えがあります。

昔はすてっきに教えてもらったことなのに、今ではその立場が逆転してしまいました。

そんな時が来るなんて、当たり前のことですが、想像すらつきませんでした。

未だに、すてっきがもし脳梗塞を3度も起こしていなくて、認知症にもなっていなくて、まだ現役で仕事をしていたなら、私はすてっきとどのような関係を築いていたのだろうと思います。

今こういう状態になったことで、更に深く親と向き合うことが出来ているというありがたさはあります。

すてっきがこういう状態にならなければ、私はすてっきと手をつないで一緒にすてっきをついて歩いたり、車椅子の後ろからすてっきに抱きついて人間マフラーをして散歩したりすることも出来なかったはずですから。

でも、空想くらいは罪になりませんよね。

私にとって、すてっきが病と付き合うようになったことは、失ったものもあったけれど、同時に得たものもあったと思います。


着実に小さく一歩一歩足を踏み出して木の上に登って行く蝉を見ながら、すてっきは大きな拍手をしていました。

まるで「今までよく頑張ったね、これから花を咲かせてちょうだいね」と、いわんばかりに。
コメント

ぐっときました。ココも見て欲しいです。いいお話ありがとう。
2009/07/13(月) 15:43:21 | URL | スミフジ #-[ 編集]

散歩はいい気分転換になりますし、なんと言ってもついさっきまであわただしくしていたにもかかわらず、道端にあるものについ夢中になって…(*^_^*)

散歩は楽しい♪
2009/07/13(月) 20:22:08 | URL | Roberts #7SMSw2C6[ 編集]

セミは脱皮する前は(脱皮する生き物はどれもそうだとは思いますが。)やわらかいので、敵に狙われやすいんですよね。
無事、木にはなしてあげられてよかったですね。
昔、セミやとんぼなどを捕まえては、夕方にははなしていました。(かわいそうだから、夕方には逃がしなさいと親に言われていたのです。)
祖父はよくカブトムシを捕ってくれました。
最近は、大阪駅などで、虫取り網を持ったおじいさんをみかけます。
孫と遊ぶのでしょうかね。。
昔はあまり見かけなかったような光景だなぁと思いました。
2009/07/13(月) 22:09:56 | URL | mari #-[ 編集]

スミフジさん>
そうですね、いつかCocodriloを見て欲しいと本当に思います。
アンプラグドで、すてっきの前で。
どんな表情を浮かべるでしょうね。

Robertsさん>
散歩は楽しいですね。
私もとことこするのが大好きです。
私の場合は携帯カメラで色々な表情をおさめるのが楽しいです。
すてっきは私の父のことなのですが、すてっきととことこするのは時間がゆっくり流れる感じがして楽しいです。
2009/07/13(月) 22:25:41 | URL | Jackey #-[ 編集]

mariさん>
mariさんもそうでしたか。
いやね、最近、女子で昆虫を触る人があまりいないことに気付き、いやいやそんなことはないだろうと思っていたのでよかったです。
お孫さんと昆虫採集、ほほえましいですね。
今年、とても久しぶりに蝶をたくさん見ました。
そういえば子供の頃は、アオムシの背中の触り心地が好きでした。
2009/07/13(月) 22:31:35 | URL | Jackey #-[ 編集]

バッタとかこおろぎはつかまえていましたが、カブトムシやクワガタはせっかく捕ってくれても、怖いというか、あまり興味がなかったのです。
でも自分が大きくなってから、いとこたちが旅行に行くので、カブトムシのえさやりとかをやっていました。
田舎の子ですからね。都会とは違いますね。
昔は自然とか、それが嫌で仕方なかったでしたが、いまはほんとに感謝ですね。
2009/07/13(月) 23:17:36 | URL | mari #-[ 編集]

ご無沙汰しておりますっ。

蝉のところで反応しないと、と思いましたが。。。
時間がなさそうな中、おさんどんの最中にも、
お父さんの気持ちに沿ってお散歩に出かけたところに、
感動しました。。。

オフィスで仕事をしていると、いけない、と思いながらも、
予定通りにいかないことに、ストレスを感じしまいます…。
自分の修行不足を痛感しました。。。

そして、すごく丁寧な蝉の観察日記v-22
そして、すごい愛情。。。
アーチストって、こういう人を言うのだと、感心しました。

暑いですねぇ。。。
ついついお腹がだぷついてしましましたv-12
私も肉襦袢を脱皮したい…。

暑い夏、がんばっていきましょう!!
2009/07/14(火) 00:49:26 | URL | べまき #-[ 編集]

mariさん>
少しの時期でも田舎というか、自然のある場所で幼少時代を過ごすことが出来たというのはいい経験になりますよね。
私は目の前田んぼで家の裏は公園で蛇とかくるくるしてました。
今は犬猫すら出会う機会が少なくなってちょっと寂しいです。

べまきさん>
べまきさん、最近どうしてるかなぁ、ビールの美味しい季節やでーと思い出していたら、あらあら。
凄いタイミングです、ありがとうございます。
ご存知のように、普段はすてっきと同居しているごまんと母がこんな感じで、2人にはほんまに足向けて寝れません、私は頼りない姉です。
予定通りにいかない、いらっときてしまいますよね。
仕事では私もありがちです。
でも不思議なことにすてっきはそういう次元で考えてはいけないという思考が働くので、私はわりと普通に接することは出来ます。
愛情。
注ぐ対象がいるというのは幸せだなぁと時々感じます。恋愛対象でなくても、色々なものに対する愛情でしょうか。
結果、自分を満たしてくれる気がします。

肉襦袢・・・あああああああぁぁぁあぁぁ(気が遠くなった)
べまきさん、私大変ですわ、加齢には勝てません。
顔が見たくなりました、また付き合ってください。
2009/07/14(火) 19:54:58 | URL | Jackey #-[ 編集]

すばらしい日記ですね。

暖かい気持ちになりました。

ありがとうございました。
2009/07/15(水) 00:41:00 | URL | アサキチ #-[ 編集]

もう出てきているのですね。
今日、犬の散歩で今年初の蝉の鳴き声を聴きました。

ほんと暖かい気持ちになれる日記です。

>失ったものもあったけれど、同時に得たものもあった..

深いですね。
2009/07/15(水) 01:04:00 | URL | きむりんわんわん #-[ 編集]

アサキチさん>
ほんの少しだけですが、親孝行が出来る機会を与えてもらっていることに対して、すてっきに感謝しています。
面白いのですが、私はすてっきのことがとても可愛らしく見えるのです。どうしてなのでしょうね。


きむりんわんわんさん>
きむりんさんのお近くではもう鳴き始めましたか!!
夏なのですね。
妊婦さんは日々お元気でしょうか?
失ったことと得たこと、これは本当になんともいえない感覚です。
2009/07/15(水) 21:45:29 | URL | Jackey #-[ 編集]

Jackeyさんはご実家のお話を聞くところによると、都会育ちだと思っていました。。
うちはいまでも若干田舎ですよ~
便利ではありますが、住宅街ですが、やはりまだ田舎ぽいところがあります。
子どもの頃は、自然が田舎ぽくて、ダサいというか、毛嫌いしていましたが、いまはその環境に感謝できるようになりました。というか、自然が昔より好きになりました。

以前、ミキサー食をつくるとおっしゃってましたが、私はのどが詰まりやすいというか、ひっかかりやすいので、液体より、どろっとしたもののほうが、重力があってか、のどというか、食道に落ちていきやすいのかな?と思いました。
風邪は治ってはいるのですが、その名残で、というかいつも歌ってることが多いので、なんだかのどの調子がおかしかったりします。
2009/07/15(水) 22:35:20 | URL | mari #-[ 編集]

mariさん>
確かに都会に近い場所ではありますが、幼い頃はのどかでした。
便利で住宅街で自然があるというのが一番いいじゃないですか!!
最高の立地だと思います。
絶対自然があるほうが子供時代の心も大人になってからの心も豊かになりますよね。
ミキサー食、高齢者に多い嚥下障害の方は、さらっとした飲み物は速度が速すぎて、間違ったところに入っていきがちなので、とろみなどをつけたもので防ぎます。すてっきは飲み物もすべてトロミをつけています。お茶もお水もジュースも。
mariさんつまりやすいですか?
試しにいつもお箸やスプーンにすくう量を少し少なめにして咀嚼回数も多めでお食事をしてみてください。
もしかしたら少しましになるかもしれません。
2009/07/16(木) 20:13:26 | URL | Jackey #-[ 編集]
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