● ● ● わ に の に わ ● ● ●

音楽やペット、スウィーツ、仕事、介護などを通じて、日々の色々な出来事をつらつらと書いてます。

随分前の記事でも書きましたが、すてっきは脳梗塞の後遺症で、認知症があります。
それも「まだらぼけ」と言われる、認知症と、そうでないとてもしっかりとした状態がその日、時間によって交代して現れます。

少しづつ、少しづつ、色々なことが彼の記憶から消えていきます。

例えば人の名前。

最初に、すてっきは自分の娘であるごまんを、自分の妹と勘違いしました。
さすがにごまんはショックを受けていました。

その次は兄の名前を思い出せなくなりました。

でもそれはその日のコンディションによるもので、「まだら」でないときはきっちりと思い出してくれます。
そんな中で私の名前はいつも忘れず覚えていてくれました。
理由を推測するに、私は大学時代と社会人時代で通算4年間、すてっきの仕事と体調の関係で、父子みずいらずの二人暮らしをしていました。
だから、他の兄弟よりすてっきとさしでの思い出が多いのです。

あと、不思議であり興味深いのが、私の相方の名前。
血もつな;がっていない義理の息子の名前を、すてっきはいつもしっかりと覚えています。

入院してから、認知症が更に酷くなったのですが、入院するまでは、私がすてっきに会いに行くと、必ず言うことが

「○○くんと仲良くやっているか?」
「○○くんは元気にしてる?」

と、名前をちゃんと記憶していて、本当にお気に入りのようなのです。

ですから、私の相方がすてっきにたまに会いに行くと、すてっきの表情は本当に分かりやすく、無防備な子供の表情でニコニコとします。

と、まぁそんな感じであったのですが、過日、とうとうやってきました。
すてっきの記憶から私の名前が消え去ってしまいました。

「おとうさん、私の名前を思い出せるかな?」

車椅子に座ったすてっきは、少しうつむいて、よく見ると、足先をもじもじとさせていました。

”この人は自分にとって大切な人で、絶対思い出さなければいけないのだ”という意識があるからなのでしょうか。

私はすてっきにとても悪いことをしたと思い、

「またいつか思い出してくれたら教えてね。」

と言って、すてっきと別のお話をしていると、5分くらいたってから、突然、ハッとした顔をして私の名前を叫びました。

とても嬉しかったです。

しかし、これから先、私の名前が本当に彼の記憶から消えてしまうのはそう遠くはないことを悟りました。
哀しい予感でした。


すてっきの色々な身体の状況はその日によっても、時間によってもかなりの波があります。

その数日後のこと。
その日のすてっきはたまたま「悪い日」で、発声自体難しくなっていました。

それでもすてっきとコミュニケーションをとりたい私は、大学ノートを引っ張り出して、すてっきと筆談で会話をすることにしました。

今日は私の名前を覚えていてくれることを祈りながら、

「私の名前を覚えていますか?」

と書きました。

すると、すてっきは

「よく おぼえています」

私が「書いて」とお願いすると、

すてっきが、私の名前を書いてくれました。
文字になると、嬉しさは増しました。

念押しのために、この名前の人は誰ですかと尋ねると

”やさしい子”

そして、名前の横に

”いちばんかわいいよ” 

そう記して私のほうを、とびきりの子供のような笑顔で見つめるのです。




ずるいなぁ、なんて顔するの、すてっき。

私はうつむいて、涙をぬぐうのに必死でした。


父の記憶に、少しでも多く家族の思い出を残してあげたいと思います。

そして私もいつまでも覚えていてもらえるように、愛情を注ごうと思います。

すてっきの横顔200805
ベロニカライヴ20080413


遅くなりましたが、4月に行われました、京橋BERONICAでの"Sunday Night Fever"のSmile in a whisperのライヴの模様を下記URLにUPしました!!

April 13 2008 BERONICA SW
おしえてくれる4月の櫻の季節、少し元気が出てきたすてっきの気分転換にと、院内を車椅子で散歩していました。

その頃は病院の廊下の窓からちらっと見える櫻を二人で愛でたり、夜間誰もいない総合受付の広いスペースに行って、足のマッサージ(かなりむくんでいます)やお話、本を見せたりしていました。

ふと、すてっきに標識を読んでもらおうと思いました。

すると、英語のほうを読むのです、しかも的確な発音で。
これには驚きました。

ちゃんと覚えているのです。

ちょっと嬉しくなりました。

嬉しくなって、色々なところの標識の前に連れて行って
”お父さん、これはなんて書いてるの?私に教えて!”

とお願いすると、きっちり書いている英語を発音する。

そういうことがあったので、食事の際に英語で簡単な会話をしてみようとトライしてみました。

”どんな食べ物が好き?”

”今は何が食べたい?”

”次はどれが食べたい?”

などなど。

すると、すてっきは横着をします。

私の話す英語の内容は理解しているようで、それに対して英語ではなく身振りなどで答えるのです。
パンダのたからもの

今回の入院で、すてっきが結構な嚥下障害(飲食物を飲み込む際に間違って気管に入れてしまうとか、うまく飲み込むことが出来ないなどの症状)を起こしていることを、病院のST(言語療法士)の先生から知らされました。

しかしその後の精密な検査で、嚥下障害は起こしているものの、それよりも、口腔内に食べ物をかなりためこまないと食道に落ちていかないため、口腔内に食べ物を貯蔵するような仕組みになっているようで、それがあとでむせなどに繋がっているそうです。
まるでリスのようです。
いづれにしても、食事は誰かが付き添わないと、誤嚥する可能性が高く、毎食、誰かが付き添うことになりました。

入院するまでは、いわゆる嚥下障害の人には不向きとされるようなごくごく普通の飲食物を(トロミのないさらっとした飲み物、パンなど)、特に問題もなく普通に食していたのですが、入院をきっかけに、飲食物には全てとろみをつけることになりました。

水で、そんなんすって飲めるやん、て思いますよね。
これが高齢者などの嚥下障害を持つ人には危険なアイテムなんです。
飲み込むと即座に喉の奥に落ちていく=誤嚥しやすいらしく、水をはじめ、お茶、ジュース、味噌汁にいたるまで、とろみが簡単につけれる粉末のとろみ剤があって、それを入れてかき混ぜて与えています。
食べ物も、そんな感じで、ゆっくりとなめらかに喉を通っていくように工夫されています。

STの先生に教わったのは、すてっきが食べ物を食べた(現在はスプーンで小さく一口づつ家族かSTの先生、看護士の方が与えています)時は、すてっきの首元に指をあてて、ちゃんと飲み込んだかを確認し、その後“アーって言って”と言ってすてっきに言葉を発してもらっています。

ある日の食事の際、いつものようにすてっきの口にスプーンで食べ物を運んで、飲み込んだことを確認した後に、
“おとうさん、アーって言って”とお願いしてみました。

するとすてっきは、突然

「ぱぁんんだぁぁの たぁぁかぁぁらぁぁもぉぉの! (パンダのたからもの)」
と言いました。

どうしてその言葉が出てきたのか不思議なのですが、何度聞いても、すてっきの答えは

「ぱぁんんだぁぁの たぁぁかぁぁらぁぁもぉぉの! 」

なんとも可愛らしい。

ひょっとしたら、いつもお世話になっているディサービスで、そのような言葉の何かが交わされているのかも知れません。

パンダのたからもの・・・・・・

笹?
すてっき入院1

話は2ヶ月前に遡ります。

3月の下旬、夜中に突然入院したわが父すてっき。

3度目の脳梗塞ではないかと非常に心配しましたが、幸い大きな梗塞ではなかったので、とりあえずはほっとしたのもつかの間。
処置として点滴を始終入れているため、排尿は不可欠。
普段、夜中に3回くらいはトイレのために起きていたすてっきですが、トイレは自力で行きたい派なので、歩行にステッキが必要なすてっきは、夜間は壁づたいに這ってトイレまで行っていました。
介護パンツ(おむつ)をつけてもその中では絶対したくない派なのです。

入院した夜中、状態が落ちついたと思い、私を含めた家族は3時くらいに病院から退散しました。
そしたら数時間後に病院からの電話が。
すてっきがカテーテルも点滴もはずしました。
駆けつけたらベッドやシーツに血がとんでいました。

カテーテルが×、オムツも×、ということで、家族や看護士の説得にも関わらず、どうしてもオムツではしたくないということで、少ししか動けない身体を、フラフラになりながらベッドから降りて、個室のトイレに移動しようとするのです。

点滴は24時間だったので、つまりは尿意を24時間感じているので、すてっきが尿意を感じ、ちらっと動きを見せると、家族はその都度ベッドからトイレまで、すてっきが転倒しないように付き添い、そしてパッドやおむつなどを交換して、ベッドに寝かせると、またすぐにトイレ・・・という状況が続きました。

誤ってベッドから転倒してしまうと全てが台無しなので、結局家族で24時間体制で付き添いをすることにしました。

前述のように、すてっき自身、24時間尿意におそわれていることもあり、不眠状態が続いていますが、実際付き添っている家族も同じように24時間寝ずに見守っているわけで(付き添いベッドは設置されているものの、横になっているだけで、すてっきがゴソッと物音をさせると、すぐに飛び起きて介助)、これはかなりきついことでした。

母が腰痛を起こしているので、結局付き添いはごまんと私の2人でシフトを組むことにしたのですが、二人とも会社員なので、ずっと仕事を休むことは不可能です。
そして交互に会社を休むことにして、仕事をしながらこんな感じの地獄のようなシフトを組んでいました。

起床→出勤→仕事→病院にて付き添い→徹夜→翌日の晩まで付き添い→数時間仮眠

つまりは40数時間を起きっぱなしで、数時間のみ仮眠するといった感じでした。
高校生や大学生なら耐えうるかも知れないような過酷なサイクルです。

そしてついていないことに、病院内は非常に乾燥しているので、体調を壊し易く、結局ごまんが1週間、その後、私の順で風邪をこじらせてしまいました。

私は4月のベロニカでのライヴ前の1週間、咳が止まらなくなり、かなりナーバスになっておりましたが、幸い本番は咳で苦しむことなく臨めたのは、本当にラッキーとしか言いようがありません。(その後更に諸症状が悪化して、5月の高槻ジャズストでは本番まで声が出るかでないか、ばくちのような状態でしたが・・)

さすがに家族が体調を壊していくさまを見て、病院スタッフの方々が現在ではかなり重点的に介助してくださるおかげで、夜間のシフトはなくなりました。

介護をする側もかなり楽になりました。

暫くは会社を休みつつ、仕事がある日は仕事帰りにすてっきに会いに行くという日が続きました。

そして2ヶ月が経過し、現在は点滴もなく、すてっきも随分落ち着いてはきていますが、日によって「いい日」と「よくない日」があり、いくつかの問題は抱えたままです。


ということで、話が前後したりするかも知れないですが、これから少しづつ、すてっきのことを書いていこうと思います。
20080504高槻ジャズストアクトアモーレ1

告知をしていましたとおり、5月4日は高槻ジャズストリートに出演させて頂きました。

今年10周年という節目を迎える貴重な年に、今年も高槻の空の下で演奏が出来たことは、Smile in a whisperにとって、本当に嬉しい限りでした。
ありがとうございました。

お天気も夏日のような空模様で、アクトアモーレのプロムナードステージという屋外のステージでの演奏は、とても気持ちのいいものでした。

いつも聴きに来てくださる皆様、貴重なGWのお休み中にお越し下さってありがとうございました!!
あたたかいコメントや差し入れ、お花、沢山の画像や音源など、お気遣い本当に嬉しかったです!

そして我々の演奏に足を止めて聴いてくださっていた沢山の方々にも感謝の気持ちでいっぱいです。

これからも皆さんに楽しんで頂けるような音楽をお届けできるよう4人で頑張ります。
宜しければまた来年、高槻の青い空の下で皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

ということで、今回のセットリストは下記の通りです。
今日は、各曲の個人的なお気に入りポイントを添えて。

1>It’s too late (Carole King)
長いことレパートリーとして演奏していて、Smileといえば・・の代名詞になっているようなナンバーですが、枝龍のドラムから始まり、3人の演奏陣の出音が揃った瞬間は、気が引き締まって心地よいです。
エンディングの盛り上がりとソロ回しが好きです。

2>Close to you (Carpenters)
5人編成の時からアレンジもぐっと変わり、淡々としたイメージから流線型の更に優しいイメージへ。
サビからAメロに戻る瞬間のギターの旋律のおちていくさまが、歌っていても心地よくて優しい気持ちになって、毎回後ろにふんわり倒れていきたい気分になります。

3>This masquerade (Leon Russell)
結成当初からのレパートリーで、原曲の面影は微塵も残っていませんが、特に後半からの盛り上がりがエスカレートしていく部分が好きです。
この曲は独特の空気感を持っているのでいつまでも演奏していたいと思います。

4>Voices inside (Donny Hathaway)
唯一、メンバーのソロをゆっくりと楽しめるナンバー。
時間が許す限り、各メンバーのソロの色々なアプローチを聴いてみたいと思っています。

5>Jump for joy (Patti Austin)
とにかく楽しくて大好きなナンバー。
歌っていて自分もワクワクしてくるので、そのワクワク感が聴いて下さる皆さんにも伝えることが出来たらなぁと常々思います。
歌詞もいいです。

6>Loving you was like a party (Marlena Shaw)
枝龍とのハモりが心地よいです。
かなりエモーショナルになれるところが好きです。

7>Mind trick (Jamie Cullum)
恐らく歌っていて一番楽しいです。
どこが、というよりは、全てが好きですね。
マイクを持って色々なところ歩き回りながら、お客さんにも一緒に口ずさんでもらえたらと思うナンバーです。

8>Natural woman (Carole King)
自分に一番しっくりとくるのはこのナンバーなのでしょうか。
歌詞とメロディの重みと深みが、私にかなり影響を与えました。
やはりキャロル・キングは偉大です。

そして番外編。

実はジャズスト1日目の5月3日に、西武百貨店の会場で行われたこたつむしさんが所属するMonky Mushさんのライヴの最後に、こたつむしさんが私をゲストとして迎えてくれて、二人で歌いました。

こたつむしさんと20080503


何を歌ったかって?
それはナイショ。
その曲はあたたかくて、今まで何度励まされたか分からないような大好きな曲なので、勿論歌詞も覚えていました。
ライヴで歌ったのは実に10数年ぶり。
こんな機会を与えてくれたこたつむしさんとしんじくんに感謝!!
ばたばたとしていて当日の告知となってしまいましたが、本日夕方6時より、ライヴを行います!

今年も高槻ジャズストリートに出演させていただくことが出来まして、場所はJR高槻駅中央(北側)出口直結の、アクトアモーレのプロムナードステージ(2F)で演奏させて頂くことになりました。

JR高槻駅のホームから会場が見えています、目印は鯉のぼり!!

詳細は下記の通りです。

高槻ジャズストリート  
http://www.0726.info/

場所:アクトアモーレプロムナードステージ
  〒569-1123 大阪府高槻市芥川町1丁目2番地  
  http://www.actamore.jp/map/index.html#2

出演時間:18:00 - 18:45

昨日も少しだけジャズスト楽しんでまいりましたが、真夏のようないいお天気でした。

今日も快晴で、晴れ渡る空の下でSmile in a whisperのライヴを楽しんでいただけたら嬉しいです。

では、プロムナードステージで、皆様にお会いできることを楽しみにしています!!