● ● ● わ に の に わ ● ● ●

音楽やペット、スウィーツ、仕事、介護などを通じて、日々の色々な出来事をつらつらと書いてます。

さて、大人の階段の本編です。
まえおきより更に長いです。

さて、1月に40年間克服出来なかった鶏を何とか無事征することが出来た小さな鰐。

じつはその4週間後に更に大きな壁を取り払うことになるのでした。


私の相方家族はふぐが好き。
相方が帰省するたびにふぐに舌鼓・・という話を嫁ぐ前に聞いた時に背筋が凍ったことを今でも覚えています。

そう、お気づきでしょうか。
私はふぐがだめなのです。
理由は2つ。
見た目が怖い。
高価なわりには食べてもそのありがたみが分からない(ゴムみたいだという人もいたので余計食す気になれない)。

あ、あかん・・・嫁ぐの無理や・・・・

嫁となる身、克服しなければと結婚する前に相方と、ふぐ、しゃぶしゃぶの両方を扱うお店に行きました。
しかし実際、水槽に泳ぐ凄い形相のお方たち。
目つき悪すぎます。
血液が逆流し始めたのではないかというくらいにいたたまれなくなり、結局相方はてっちり、私はしゃぶしゃぶを食すことに。

テーブルの前で相方が

「おいしーよー」

と、あのお方(ふぐ)をほおばりながら爽やかな笑顔で訴えかけます。

騙されません、そんなねんねではありません。

しゃーなしに、ふぐの唐揚の細切れ(ミリ単位)を食しましたが、前回の鶏の話同様、そのとき息をしていたのか、どこを見ていたのか、何を考えていたのかすらわからない状況でした。



結論。

「おかけになった電話番号は、現在使われておりません」級。


嫁ぐ前に相方の実家を訪問する際、ふぐにしよう(晩御飯)という話が義母からあがったらしいのですが、それを聞いた私が身体全体を小刻みに震わす(アピール)のを見て、電話で丁重にお断り申し上げた相方。

以来、私が相方の実家を訪れる時は、ふぐの「ふ」すらタブーとなったのでした。


時がたち私は40。
中身の精神年齢は小学生といい勝負ですが、外見的には加齢も手伝い立派な大人の仲間入り。

こういう節目だったら何か克服できそうな気がする。
そう思った私は、相方家族に長年迷惑をかけていたふぐを克服することに決めたのでした。

思い立ったのは1月末の自分の誕生日。

決行は義母の2月末の誕生日。

1ヶ月の間に何とかイメージトレーニングをして大丈夫だと身体と心に刷り込まないと克服できそうにない。

そう思った私はとある訓練に走ったのです。

通勤途中に通るトコトコ道に、あのお方を扱うお店があります。
お店の外には2つ水槽があって、あのお方やら色々なおととがいます。
会社から家路へと向かう頃には、お店は開店して水槽にふぐなどが泳いでいるのです。

私は毎日仕事帰りにその水槽を見て、あのお方が泳ぐ姿を見て、怖くないねんよと自ら洗脳行為を行ったのでした。
雨の日も、風の日も、具合の悪い日も、一杯ひっかけて帰る時も。

イメージトレーニングの水槽

これ。
皆目つきわるいでしょー。

面白いことに、このイメトレを始めた頃は、水槽をかなり遠目に見て震えながら訓煉していたのが、数日、1週間経過した頃には気がつくとかなり至近距離で水槽を眺めていました(でも震えは止まらない)。
日々の訓煉は大切だと、こんなことで気づく鰐。

そしていよいよXデー。

母に贈る花束を買いに行きました。
このときほどお花にこんなに人の心を和ませるチカラがあるなんて思ったことはありません。
ブルっている自分に少しだけ現実逃避をさせてくれました。

そして車に乗りいざ相方の実家へ。

到着すると、鍋はスタンバイされていました。
大きなお皿にお野菜、豆腐、マロニー、そしてあのお方。

あれ?よくテレビなどで見るあのお方の断片よりも心なしか大きい気がする。
雲行きが怪しい。
私の描いたサクセスストーリーとは少し違う。

戸惑いを隠せず相方にどうしようという表情で義父母に分からないように目で劇団ひまわり級の演技力を発揮。
で、気持ちのすべを伝える。

キッチンにいた義母が我らのもとにやってきて
「普通にお店で売っているのは身がかなり小さいけれど、私がさばいたから大きいのよ♪」と非常に嬉しそうな表情。

・・・・え?お母さん、免許持っているの!?
本気(と書いてマヂと読む)の人なの!?

そして話は続く。

「頭は凄く大きくてね、出刃でも無理だったから、頭ごと冷蔵庫に入れているのよ、明日そのまんま鍋にして食べるわ。」

ええ!?
この身の大きさで想像するに、かなり大きな頭部。
椅子の背もたれを掴んでいなければ気絶して倒れるところでした。

義母は南の国の人(下関など結構近い)なので、自力でさばいてもおかしくない。
相方と数年ぶりに親子水入らずで食すふぐを非常に心待ちにしていたのがその身の大きさによく表れていた。


今度はもう東尋坊の崖どころではない。
火サスのドラマのクライマックスで崖に追いやられた時に使われそうな緊迫感満載の曲が、いつもSouliveの曲に似ていると感じるので、(Souliveを聴くたびに火サスを思い出す)今回はSouliveが頭を駆け巡る。

自分には1つしか道が残されていないということを改めて感じ、いざ着席して鍋スタート。

そんな中、義母がニコニコして鍋の前に何かを出してくれた。

あれ、なんか嫌な色合いの間違いなく貝の上に鎮座しているお方。
もしや。

「このとこぶし、結構柔らかくて美味しいから食べなさい(にこにこ)。」

と・・・・・・とこぶしって・・・・・


言い忘れましたが、私は帆立の貝柱以外は、貝類は食べれません。
にこにこ顔の義母の期待を裏切ることは出来ない。

ということで、1ヶ月ぶりに再び五官機能を停止させて体内へと葬り去ったのでした。
味は確かに美味しく柔らかかった(それは義母の愛情のせい?)。
しかし形状が怖い。

さて、本編へ。

大きなお皿にはプリプリのふぐの身がてんこ盛り。
端っこには湯引きもあった。
とりあえず、食材を鍋に投入せねば。

ここで人間の防御反応は素晴らしいものだと感じました。

無意識のうちに、鍋の自分のテリトリーから一番遠いエリアにふぐを追いやっていたのでした。

そして義母がおもむろに
「はい、ひれ酒よ、香ばしくて美味しいわよ~」

身勝手なのは重々承知していますが、実はひれ酒は頂きます(おかしいやんと言われそうですが)。
おつくりを頂くときなどには本当に最高。
凄く香ばしくていい香り。
メモリーグラスよろしく、アイツ(あのお方)なんか飲み干してやるわとぐいぐい。

そうこうしているうちに鍋が出来上がり、いよいよ器にあのお方を呼び寄せることに。

私がどれだけ苦手かということをよく知っている相方が私の横で一挙手一投足見逃さないように見ていました。

なんてことないような顔で、ささっと体内に葬り去りました。
勿論五官オフでしたが、確かにあっさりしていて食べれる。
あの方のお姿を偲ばずに食べれる。


これってイメトレのおかげ!?
これは克服?


家族4人、鍋を囲んでのひとときはおひらきとなりました。
しかし、冷蔵庫に潜むあのお方の頭部のことを考えると気が遠くなったのでした。

「ふぐはコラーゲンがたっぷりだからお肌にいいのよ~(にこにこ)」

お、おかあさん・・・。


こういうわけで、1ヶ月の訓煉の後、大人の階段をのぼったのでした。

あほかーですよね。

しかし重ねて申しますが、1個人にとってはそれはそれは大変な苦行だったのです。

相方の実家からの帰り道、鼻を膨らませて自信満々の表情を浮かべる私をよくやったという表情の反面、半ば呆れ顔だった相方。


今回も2段、階段をのぼったのでした。

この2ヶ月で4段。
かなりハイペースで階段をのぼったのでした。


結論。


努力は実る。
20090222お誕生日

少し遡ることになりますが、2月に義母の誕生日を祝う為、花束を持って訪問しました。
この画像のバラの他にイングリッシュローズのクリストファー・マーロウらしいバラ(非常に濃いオレンジレッドが開花するにつれ、外側からサーモンピンクに変わるというやつ)が花屋にあったので、これは!と思い一緒に入れてもらいました(残念ながらそちらの単品撮影を失念)。

バラはころんと丸っこい形をしたのが好きです。
牡丹や芍薬のような、沢山の花びらがふわーっと咲くのが好きです。
ラナンキュラスもいいですね、可愛らしい。

花はいいものですよね、心を和ませて笑顔にしてくれます。


・・・・と、爽やかな当たり障りのない話題のあとに。

今年は不惑という節目の年、何かを始める、大人の階段をのぼる(何かを克服する)にはうってつけのタイミングではないかということで、今回の義母の誕生日の時に、自分の食べられないものを克服することに決めました。

私が嫁いだことで、相方及び相方の両親に1つだけ悪いことをしていました。
これではいけないと、克服することを決めたのです。

そのお話を書く前に、実際には不本意にも大きな大人の階段を2段のぼる事になったお話から。

1月の誕生祝に、京都に行くと必ず寄るフレンチのお店で相方がお祝いをしてくれたのですが、その楽しい筈のお祝いのひとときが突然・・・ほんとに不本意ながらでした。

こんなシチュエーションで。

ランチコースはAとBの2つでした。

Aコース>>>
オードヴル(確か名前は「・・・鶏の・・・太巻」)、魚or肉、スープ、デザート、珈琲or紅茶。

Bコース>>>
オードヴル2種、魚、肉、スープ、デザート、珈琲or紅茶。

といった感じのことが書かれていました。
こちらのお店はボリュームがあるので、おなかの希望としてはAでしたが、Aのオードヴル欄には

「・・・・鶏の・・・・太巻き」

『 鶏 』と書かれていました。

そう、ご存知の方も多いでしょうが、御棺に入るまで恐らく本格的な克服は無理だと思われた鶏。
オムライスの中にある、小さな小さな細切れは”しゃーなしやでー”的に食べます。
しかも太巻きってことはなんだかくるくる大きな巻き・・・これはどない考えても無理や。。。。。

かたやBコースのオードヴル2種については何も記されていなかったので、勝手に「お任せ」と
思い込み、まさかAコースと同じ(鶏は出ない)ではないだろうとBコースに決定。

ギャルソンが「かしこまりました。」



暫くしておなかをすかせた鰐(私)の前に現れたのが、カマンベールチーズのなんとか、というオードヴル。

ここ数年、匂いのないくせのないチーズは克服したものの、カマンベールは・・・・。
ち、ちょっちょっと・・・・。
しかし頑張ってみよう。
ということで、もやもやした気持ちを抱きながらも食しました。

何とか制覇。
(といっても何も考えず五官機能を強制終了したような感じでした)
不本意にも大人の階段を一段のぼったわけです。

誕生日になんで嫌いなもん食べなあかんねんやろうとややテンションが低くなりつつも、次の皿に期待したのでした。


そして暫くして出てきた2つめのオードヴル。

どう見ても肉(牛肉や豚肉)や魚ではない佇まい。

大きな大きな鶏(と何かしら組み込まれている)のかたまり。

そう、・・・・鶏の・・・・太巻き。

Aコースと同じものだから、敢えてBコースのオードヴルに書かなかったというだけだったということにようやく気づく鰐。

驚愕、そして絶句。
それを目の前で見ている相方の、笑いを堪えられない、そしてやるしかないのだという説得の表情。


”試されてる、私試されてるわ”と頭の中でぐるぐる。

この最初のお皿を食べないことには後続の美味しいお皿たちがやってこない。
誕生日の宴が始まらないというわけ。

強風豪雨に煽られる東尋坊の崖(ビニール傘なんて簡単に折れてしまうくらいの雰囲気)の鋭角のへんにつっぷしている気がしました。

生まれたての子牛のようにぶるぶる震えている私に、無言の笑み(プレッシャーとも呼ぶ)を与える有難いのか有難くないのかつがい思いの相方。


深呼吸をして崖の鋭角のへんからちょーんと飛び込むことに。



大人の階段をのぼったのでした。

不惑という節目に。
本当は相方及び親族に褒めてもらいたい一心で。

”これでもう食べれるやろう?”
との問いに、

食した時間はもう息をしていたのか、どこを見ていたのか、どんな味だったのかなんて考える余裕も全くなかったので

”とりあえずは食べた、しかしこのあとは知らん”

と答えたような気がします。

では”焼き鳥はどうか?”という話題をふってくる相方。

あまりにもハードルが高すぎる(「生前の姿偲ばれ系」がだめなのです)ので、お願いですから土下座するから堪忍してください、言うと笑ってました。

どんな方法であれ、この40年間苦手として食さなかった鶏を大量に体内に取り込んだという自分にしては偉業を完遂したわけで、とにかく褒めて貰いたくて仕方がなかったので、まるで子供が親にそうしてほしいような「すごいでしょーすごいでしょー」的な、どや顔で相方に訴える行為にでました。

こちらをご覧の方はあほかーと思うでしょうが、1個人としては本当に大変なことでありました。
(私の鶏嫌いを知っている方々はきっとオォ!と拍手して下さっているのでは・・?え?あほうかお前はって?)

そうそう、前に枝龍がチーズと納豆をご飯にオンしてぐちゃぐちゃに混ぜて食すのが旨いと笑顔で皆に話していた時、私は気絶するかと思うくらい気が遠のいたのでした。
枝龍、納豆は匂いがマストらしく、更にチーズもミックスされるなんて、私には到底出来ない芸当で、枝龍・・・・大人過ぎるよ・・・・。


ということで私の心模様を理解して下さった方がいらしたかどうかは分かりませんが、本編に入る前にこんなに長文になってしまったので今日はココでおしまい。

次回本編へと続く。

大人階段30分前

大人の階段をのぼる30分前は、そんなことになるともつゆしらず、”いつ来てもここのお庭は落ち着くよなぁ・・・・。”などと呑気に城南宮で庭の写真を撮影していたのでした。